第三者評価のながれ
- 指定事業者の新たな課題- (2003.6.25更新)
迫りつつある第三者評価
2005年に向けて介護保険制度の抜本的な見直しが予定されている。いくつかある論点のなかで、その一つに第三者評価が上げられている。
周知のごとく、サービス事業者にとって利用者が求めるサービス水準を把握したり、良質なサービスを行なうためには、サービスの質の向上が求められており、その実現のためには自己評価とともに、公正かつ的確な評価として第三者評価が必要とされている。
また、利用者にとっても、自分に適したサービスを主体的に選択するためには、サービスの質に関する情報の適切な提供が必要であり、その仕組みの一つとして第三者による評価が参考となる。措置時代からチェック機能として行政監査が実施されているが、これは社会福祉施設の最低基準や介護保険での指定基準のなど最低限守られるべき基準のチェックを行なうものであって、事業者が提供するサービスの質の向上を目的により良いサービス水準への誘導を促す第三者評価とは根本的に異なるものである。
したがって、第三者評価が事業者自らの取り組みの延長線上にあるものとするならば、受審は義務的に行なわれるものでなく、事業者自らの意思に基づいて評価機関に依頼して行なわれるべきものであると考えられている。
現在のところ、評価対象は老人福祉施設、介護老人保健施設など施設系が多く、通所系や訪問系のサービス事業者の受審ケースはまだそう多くはない。
先んずれば人を制す
一方では、第三者評価機関の育成が始まったばかりであり、その評価基準も仕組みも確立していない状況である。
参考までに大阪府で検討されている訪問系の評価基準の大項目をみると、T.運営方針や業務改善などの組織体制が確立されているか。U.研修の実施や実習生の受け入れなど人材育成を行なっているか。V.声かけなどのコミュニケーション・人権擁護・プライバシー保護・自立支援・対等な契約やサービス利用など利用者本位の姿勢ができているか。W.適切なサービス提供・苦情や相談の対応など適切なサービス運営が行なわれているか。X.身体・家事等のサービスで介護技術と配慮が十分かなど、5大項目のなかに約60以上の項目が設定されている。
また、兵庫県では、第三者評価の前提として自己評価項目を5大項目の評価対象で38項目の評価項目が示され、A・B・C3段階で自己評価が出来るようにしている。
このように徐々に第三者評価の環境整備が各都道府県で進められつつあり、第三者評価が避けて通れない時期がすぐそこに来ている。いまからその来るべき時期に備えて、自己評価指標を基に各項目をクリアできるよう、第三者評価に向けていまから業務内容を見直すことが重要になっている。一歩先んじる意欲が明日の事業を明るいものにする。
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